武田塾のバイトを辞めたい！きついときの簡単な辞め方

受験生を「授業をしない」という独自のコンセプトでサポートする武田塾の講師バイトは、シフトの融通が利きやすく高時給な面もありますが、その特殊な指導スタイルや職場の環境から「きつい」「辞めたい」と感じてしまう方も少なくありません。

この記事では、武田塾のバイトを辞めたくなる具体的な理由から、円満退職のための具体的な手順、辞めたいけど言い出せないことに悩んでいる場合の解決策まで詳しく解説していきます。

武田塾のバイトを辞めたい・きついと感じる理由

マニュアル指導で自由度が低いから

武田塾は「授業をしない塾」というコンセプトで有名ですが、生徒の学習を管理するにあたり、志望校ごとに細かく設定された「ルート」と呼ばれるマニュアルが用意されています。

講師の仕事は、主にこのマニュアル（ルート）に沿って、生徒の進捗状況をチェックし、次の勉強プランを作成することです。このマニュアル化された指導方法が、かえって窮屈に感じられることがあります。

自分が受験期に実践して成功した独自の勉強法や工夫を生徒に教えたいと思っても、マニュアルに沿った指導が求められるため、アルバイトとしての自由度が低く、「言われたことだけをやる」感覚に陥ってしまいやすいです。

塾講師の仕事に、生徒の状況に応じて自分で考えて動く面白さを求めていた人にとっては、この自由度の低さが「つまらない」と感じる一因になります。

仕事内容が単調でつまらないから

武田塾の講師の主な仕事内容は、生徒の質問に答えたり、勉強の進捗状況をチェックしたり、次週の勉強プランを作成したりすることであり、コーチングやコンサルタントに近い役割を担っています。これは従来の塾講師のように「授業をする」こととは異なり、生徒が自学自習で「できる」状態を目指すのをサポートするものです。

しかし、生徒の進捗管理や確認テストの解説、同じ勉強法の指導をマニュアル通りに繰り返すという作業は、人によっては単調でつまらないと感じてしまいます。

多様な指導方法を試したい、あるいは生徒に直接「教える」ことに喜びを感じるタイプの人にとっては、武田塾のコンサルティング中心の仕事が、物足りなく感じてしまい辞めたい理由となるのです。

校舎長との人間関係に悩むから

武田塾の職場の人間関係は「おおむね良好」という口コミが多い一方で、校舎によっては「きつい」と感じる原因となることがあります。武田塾の校舎はフランチャイズ形式で運営されていることが多いため、校舎長が本社の社員ではないケースがあり、校舎長の人柄や経営方針がそのまま職場の雰囲気に直結することがあります。

もし、校舎長と馬が合わないと感じたり、「イジリがだるい」「冗談がつまらない」など、校舎長とのコミュニケーションが苦痛になったりすると、それが大きなストレスにつながりかねません。

さらに、仕事の悩みを校舎長に相談しようとしても、「やだ！」などと冗談めかされて真剣に取り合ってもらえない場合もあり、孤独感や不満が募りやすくなってしまうのです。人間関係のストレスは心身の健康を損なう原因にもなり得ます。

指導以外の準備時間が無給になるから

労働基準法では、上司の指示に従って行う仕事については、開店準備や清掃、次の勤務の準備なども含めて、時給が支払われなければならないと定められています。武田塾の講師の場合、個別指導（特訓）以外にも、生徒の確認テスト作成（印刷）や校舎ブログ記事の作成などの事務業務があり、これらに対しては事務作業として時給が支払われる校舎が多いです。

しかしながら、中には「特訓の準備がしたければ時間外労働」となり、準備時間が無給になってしまうという体験談もあります。また、生徒指導後のタブレットへの成績入力などの事務作業が、指導時間外に超過するにもかかわらず、その分の時給が発生しないという声もあります。

法律上、指導以外の準備や報告時間も、業務として指示されているのであれば賃金が発生すべきです。もし無給の労働を強いられていると感じるなら、それは「ブラックバイト」の一側面である可能性があります。

生徒の欠勤で出勤が非効率だから

武田塾のシフトは週1日から勤務可能で柔軟な対応をしてもらえるとされていますが、生徒の欠勤や振替対応に関する問題が、非効率さを感じる原因となることがあります。

個別指導は生徒と1対1で行うため、もしあなたが「週に1人か2人」しか担当する生徒がいない場合、生徒が急に休んでしまうと、その1人のために出勤しなければならなくなり、非常に時間が勿体ないと感じることでしょう。武田塾の給与は1コマ（90分）あたりで計算されることが多いです。

残業がほとんどないというメリットがある反面、急にシフトを増やして稼ぐことが難しく、生徒の欠勤によって予定していた給料が得られなくなると、効率の悪さを強く感じ、「辞めてもっと効率よく稼げるバイトに移りたい」と考えるようになります。

生徒の成績や学習態度にやりがいを感じないから

武田塾の講師は、生徒の自学自習をサポートする「コーチ」や「トレーナー」の役割を担い、生徒の成績が伸びたときに大きなやりがいを感じられる仕事です。しかし、現実には、「ただ宿題をやらない子やサボる子」、あるいは「アドバイスしたことを全く実行しない子」を担当するケースもあります。

このような場合、毎回同じようなことを教えてばかりで身にならないと感じ、仕事にやりがいを見失ってしまう恐れがあります。

また、生徒を難関大学合格という目標に向けて指導する責任感は重く、マニュアル通りに指導しても生徒の成績が上がらないと、プレッシャーを感じたり、不安になったりすることもあります。

生徒や保護者からのクレーム対応を任され、それが精神的にきついと感じることも、「辞めたい」気持ちを強くする理由となります。

武田塾のバイトは辞めるべき？

辞めたほうが良い人

まず、仕事にやりがいや面白味を感じないと感じる場合です。武田塾の指導は、マニュアルに沿った進捗管理や勉強法の指導が中心であり、これをつまらない、単調だと感じているなら、あなたの時間は「勿体ない」ものになってしまいます。

次に、人間関係のストレスで心身に不調がある場合です。校舎長との関係や保護者からのクレーム対応などで精神的に参ってしまっているなら、健康を優先して辞めることを検討しましょう。特に、精神的にきつい状況が続いている場合は、我慢する必要はありません。

もっと効率よく稼ぎたい目的がある場合も、辞めることをおすすめします。武田塾は残業がほとんどないため、時間外手当で稼ぐことが難しく、また担当生徒が少ないと稼げない傾向にあります。もし高収入や安定した収入を求めているなら、シフトに多く入れる他のバイトを探す方が賢明です。

辞めないほうが良い人

まず、生徒の成長を喜びと感じることができる人です。武田塾は生徒と1対1で密にコミュニケーションを取り、生徒の目標達成（志望校合格）に立ち会った時のやりがいは大きいです。生徒の成長を自分のことのように感じられる人にとっては、単なるお金稼ぎ以上の意義を見出せるでしょう。

次に、コミュニケーション能力を伸ばしたい目的がある人です。完全1対1の指導体制なので、生徒一人ひとりに合わせた会話のテンポや、分かりやすい説明の仕方が求められます。これはヒアリング能力やプレゼンテーション能力を鍛える絶好の機会となり、就職活動や社会に出た後にも役立つ、課題解決能力なども身につけることができます。

また、学業やプライベートとの両立を重視したい人も、辞めないほうが良いでしょう。武田塾は週1日からOKのシフト制を採用しており残業もほとんどないため、無理なく自分のペースで働ける環境です。服装や髪型の自由度が高い校舎も多く、オシャレを楽しみながら働きたい学生にとってはメリットです。

武田塾のバイトを辞めたいけど言い出せない場合

武田塾のような個別指導塾では担当生徒がいるため、「途中で生徒に迷惑をかけるのでは」という責任感から、言い出しにくくなるケースは非常に多いです。しかし日本の法律上、雇用期間の定めがないアルバイトは、退職の意思を伝えてから2週間が経過すれば、雇用関係は終了すると定められています（民法第627条）。

職場側は、退職したい人を無理に辞めさせ続けることはできません。とはいえ、面倒な交渉や引き止めに遭いたくないですよね。そんな時におすすめしたいのが、退職代行サービスの利用です。

退職代行サービスは、退職希望者の代わりに退職の意思を職場に伝え、退職に必要な手続きを代行してくれます。そのため、すぐにでも今の職場から離れたいという強い希望があり最短翌日で退職したい方や校舎長との気まずいやり取りを完全に回避したい方に向いています。

武田塾のバイトを辞めたいときの退職手順

就業規則や契約内容を確認する

まず最初に行うべきことは、あなたがサインした雇用契約書や就業規則を確認することです。多くの場合、アルバイトの退職に関する規定として「退職の○ヶ月前までに申し出ること」といったルールが記載されています。

法律上、雇用期間の定めがない場合は退職の2週間前までに伝えれば問題ありませんが（民法第627条）、円満退職を目指すなら、職場が定めているルールに従うのが原則です。規定を守ることで「会社のルールを無視した」といった不要なトラブルを避けられます。雇用期間の定めがあるかないかも確認しておきましょう。

退職の意思を直属の上司に伝える

退職の意思を伝える相手は、必ず直属の上司や校舎長など、同じ現場で働く一番偉い人にしましょう。どんなに親しい同僚や先輩がいても、彼らを介して伝えるのはマナー違反とされています。

退職を伝える際は、対面で直接話すのが基本です。話の切り出し方は、「お話があるのですが、少しお時間良いですか」などと声をかけ、「〇月〇日でバイトを辞めさせて頂きたいと思っています」と退職希望日を明確に伝えましょう。

もし対面が難しい状況であれば、次の出勤時に相談する時間を設けたい旨をメールやLINEで伝えても構いません。

退職の希望時期を早めに相談する

円満退職のためには、辞めたい日の1ヶ月〜2ヶ月前に退職の意思を伝えるのが社会的な常識とされています。法律で定められた2週間よりも早く伝えることで、塾側があなたの後任スタッフを募集、採用し、研修を行う時間を確保できます。

武田塾は個別指導であり、生徒の担当変更には準備が必要です。塾側のシフト調整や引き継ぎの準備に配慮し、早めに相談することが、生徒に迷惑をかけずに辞めるための重要なポイントとなります。

もし学業や就活で辞める時期が決まっているなら、1年ほど前からそれとなく伝えておくことも引き止められにくくなる有効な方法です。

円満退職のための理由を準備する

退職理由を伝える際は、正直に職場の不満を述べる必要はありません。塾の環境や人間関係、賃金への不満など、職場にマイナスな印象を与える理由は、言い訳に聞こえてしまう上、円満退職を難しくする可能性があります。

円満に退職するためには、「学業に専念したい」「就職活動が本格化する」「来月から授業が増える」など、「学生の本分」に関わる前向きな理由を用意しましょう。

体調面に不安がある場合は「このまま続けるのが難しくなった」という理由も有効です。強い意思で「辞めるんだ」という気持ちで臨めば、引き止めにあっても対応しやすくなります。

生徒への引き継ぎをしっかりと行う

塾講師として退職する際、最も責任感を感じるのが生徒への対応ではないでしょうか。生徒への負担を最小限にするため、辞めることが決まったら、後任の講師がスムーズに指導に入れるよう、引き継ぎを確実に行うことが重要です。

引き継ぎ内容は、書面にして残しておくと「言った言わない」のトラブルを防げます。具体的には、生徒の志望校、カリキュラムの進捗状況、宿題の量や範囲、苦手科目やつまずきやすい箇所、さらには生徒の性格や声掛けの仕方など、細かい情報まで含めましょう。

生徒本人へは、退職の1ヶ月前くらいに伝えるのが目安で、後任の先生の良いところをアピールして、生徒の不安を取り除いてあげると親切です。

武田塾のバイトを辞める際の注意点

代わりを探せと言われても応じる義務はない

退職を申し出た際に、「辞めるなら代わりのアルバイトを連れてこい」と要求されることがあるかもしれません。しかし、アルバイトを含む労働者は、会社を退職することをいつでも申し入れることができ、代わりの人を見つける義務は原則としてありません。

このような要求は、雇用主側の業務命令権の濫用にあたるとされています。もし会社側が人手不足で困っていたとしても、それは会社側の問題であり、あなたが解決する必要はありません。無理に代わりを探す必要はなく、「退職の意思を伝え、2週間経てば辞められる」という法的知識を盾に、はっきりと断りましょう。

無断欠勤や当日連絡は避ける

たとえ職場の環境がひどくブラックバイトだと感じていたとしても、無断欠勤を重ねることや、当日に退職を申し出ることは避けるべきです。採用担当者を対象としたアンケートでも、「無断欠勤のまま連絡が取れなくなって困った」という回答が多く、これは印象の悪い退職方法として挙げられています。

無断欠勤は、残ったスタッフに大きな負担をかけるだけでなく、あなた自身も給与や離職票などの受け取りでトラブルになる可能性があります。辞める意思が固まっているなら、礼儀として上司にきちんと連絡を取り、法的なルールに則った辞め方を検討しましょう。

雇用期間の定めがないかを確認する

アルバイトの退職の自由は雇用契約の内容によって異なります。最も一般的なのは、雇用期間の定めがない（無期雇用）ケースで、この場合は退職の2週間前に意思を伝えれば退職が可能です。

しかし、契約書に「○年○月まで勤務する」といった雇用期間（有期雇用）が明確に定められている場合、原則としてその期間は働く義務が発生します。ただし、体調不良や家庭の事情など「やむを得ない事由」がある場合は、契約期間中でも退職することが可能です（民法第628条）。

契約内容を事前に確認し、もし有期雇用で期間途中の退職を希望する場合は、やむを得ない事情を職場と共有し、話し合いを行うことが重要です。

まとめ

武田塾のアルバイトは、その「授業をしない」というユニークな指導スタイルから、コミュニケーション能力や課題解決能力が鍛えられたり、学業との両立がしやすかったりと、多くの魅力があります。

しかし、マニュアル化された指導への物足りなさや校舎長との人間関係、非効率な出勤などが原因で、「辞めたい」と感じてしまうのも事実です。もし仕事にやりがいを感じられず、心身の健康を損ないかけているなら、あなたの人生と時間を優先して今すぐ辞めても全く問題ありません。

それでも「辞めたいけど、校舎長に言い出せない」「強い引き止めに遭いそう」と悩んでいるのであれば、退職代行サービスの利用を検討することをおすすめします。

退職代行サービスを利用すれば、責任者と一切話すことなく、退職の意思を伝えることができます。面倒な交渉や引き止めを避け、精神的な負担を最小限に抑えてあなたの希望通りにスムーズに退職することが可能です。