HIS（エイチ・アイ・エス）を辞めたい！やばい理由や簡単な辞め方

旅行業界に憧れてエイチ・アイ・エス（HIS）に入社された方は多いでしょう。お客様の心躍る瞬間をサポートしたいという情熱を持って働き始めたにもかかわらず、いつしか「辞めたい」「やばい」という強い感情に直面してしまうのは、決して珍しいことではありません。

長時間にわたる労働や過酷なノルマ、理想と現実のギャップに苦しんでいる方もいるかと思います。この記事では、HISを辞めたい・やばいと感じる具体的な理由を整理し、HISを辞めるべきかの判断基準やHISの簡単な辞め方を解説していきます。

HISを辞めたい・やばいと感じる理由

長時間労働が常態化しているから

HISの店舗営業では、お客様の接客や問い合わせ対応に追われる営業時間外に、事務作業が集中する傾向があります。このため勤務時間が深夜に及び、帰宅が遅くなることは少なくありません。

繁忙期には夜中の0時を過ぎるまで働くこともあり、終電に間に合わず途中から歩いて帰ったという経験談があります。シフト勤務を採用している店舗では不規則な生活リズムを強いられ、安定した食事時間を確保することが難しく、心身の疲れが取れにくいというデメリットを感じる方もいるようです。

さらに、残業代の申請には上司の許可が必要なため、「ノルマを達成していないのになぜ残業しているのか」といったプレッシャーから、サービス残業を余儀なくされるケースもあります。こうした過度な時間外労働が退職を決意する大きな要因の一つとなっています。

業務量と給与が見合わないから

旅行業界は全体的に給与水準がそれほど高くないことは知られていますが、HISで実際に働いてみると、業務量や責任の重さに対して給与が低すぎると感じる方が多くいます。正社員の平均年収は日本の平均給与を約40万円下回る水準です。

給与制度としては基本給に加えて残業代を選ぶか、業績給を選ぶかの2種類が用意されていますが、営業職では業績給を選ぶことが暗黙のルールとなっており、みなし残業時間（40時間など）を超える残業代は実際にはほとんど支払われないケースがあるようです。

日々のカウンター業務や細かい手配業務に加え、新人であれば掃除や書類整理、イベント企画などの雑務も多く、それらを時給に換算して考えると不満が大きくなってしまうのは無理もないことでしょう。

過酷な営業ノルマがきついから

HISはベンチャー精神を掲げているため、営業職には厳しいノルマが課せられます。月間50件から繁忙期には120件ものお客様を出国させるノルマを設定されていたケースも。

しかし、平日昼間は来店客が少ないため、夕方以降のピークタイムにわずかなお客様をなんとかして契約に繋げようと、強引な手法を取らざるを得ない状況に陥ることがあります。例えば、パンフレットを見に来ただけのお客様にキャンセル料がかからないからと「仮押さえ」を促すといった対応です。

しかし、無理に取った予約はキャンセルになることが多く、結果的にノルマ達成がさらに難しくなるという悪循環に陥ります。ノルマが達成できないと上司から「お前のせいで営業所全体の数字が落ちている」などと厳しく詰められることもあり、精神的な負担は深刻です。

理想との大きなギャップがあるから

旅行が好きでHISに入社したにもかかわらず、実際の業務が理想とは大きくかけ離れていることに失望する方も少なくありません。

旅行のワクワク感を伝えることよりも、売上や会社が推奨するパッケージツアーの販売が重視される環境では、本当にお客様のためになっているのかという疑問や、お客様にぴったりのプランを提案できないジレンマを感じます。

店頭業務では、航空券の手配などオンラインで簡単に完結してしまうような業務が多いため、接客のやりがいを感じにくいという声もあります。

さらに、旅行の手配は細部にわたるため、ハネムーンなど一生に一度の旅行でミスをしてはいけないというプレッシャーは非常に大きく、多くのことを覚えてこなさなければならない業務量にモチベーションを維持するのが難しいです。

人間関係が殺伐としているから

過酷なノルマと長時間労働が常態化している職場では、社員一人ひとりが自分の数字に追われるあまり、人間関係がギスギスしてしまう傾向があります。

営業所内では、来店したお客様の取り合いのような雰囲気が生まれることもあり、先輩のお客様だと知らずに対応してしまい強い口調で注意を受けるなど、気を遣う場面が多いようです。

HISでは顧客ごとに担当者が決まる専属担当制を敷いているため、担当者不在の際にお客様のフォロー業務を代わりに行ってもその成績は自分には反映されません。

そのため、代わりにフォロー業務を頼む時や自分が休みの日に他スタッフが自分の顧客の対応をした場合などに嫌味を言われるなど、職場の雰囲気が悪化し、立場の弱い新人がいじめの対象になるような環境に耐えられず、退職を決意した方もいます。

HISは辞めるべき？

辞めたほうが良い人

挑戦したい目標が明確な人

HISでの経験を通して、旅行業界以外の分野で本当にやりたいことや挑戦したい目標が明確になった人は、辞めても後悔する可能性は低いでしょう。

例えば「将来的に会社を経営してみたい」といった大きな夢があり、HISの環境では視野を広げることが難しいと感じている場合、一度他業界に移り多様な経験を積むことが有効です。

自分のやりたいことがHISでは実現できないと判断したならば、その目標を追いかけるために転職を決断すべきです。転職は、あなたが理想とするキャリアを実現するための手段の一つです。

努力で環境を変えられない人

給与の低さや長時間労働、過酷なノルマといった構造的な問題が、あなたの努力や工夫によっても改善されない場合、無理に留まる必要はありません。特に給与や勤務時間といった労働環境を改善したいと考えても、現場の慢性的な人材不足の店舗では個人の力で解決するのは不可能です。

また、接客業務が根本的に苦手だと感じている、または会社の利益優先の方針と個人の価値観が合わないなど、自分自身の特性や信念と仕事内容がズレている場合も、転職により環境を変える方が問題解決に繋がります。

辞めないほうが良い人

社内でキャリアを築ける人

HISは成果を上げれば若くして昇格できる実力主義の風土があるため、若いうちから裁量権を持って成果を出すことにやりがいを感じている人にとっては、キャリアを築きやすい環境です。社員同士の人間関係が比較的良好で、困ったことがあっても相談しやすい雰囲気があると感じている方もいます。

もしあなたが会社の文化や人間関係に満足しており、成果を出すことに喜びを感じられるのであれば、社内で目標とする先輩を見つけ、キャリアアップを目指すことが最良の選択肢となります。

海外勤務を希望する人

HISは日本の旅行会社の中でも、海外勤務の機会を得やすいという特徴があります。海外旅行という商材を扱うため、世界を舞台に働きたい夢を持っている人にとっては、その希望を実現しやすい環境だといえます。

もし入社理由が「海外で働きたい」という強い動機に基づいているならば、その目標が達成できるまでHISで努力を続けるべきです。海外のHISで働いていた社員の中には、日本への帰国に伴い仕方なく退職した方もおり、海外での勤務経験そのものが貴重な財産となることは間違いありません。

HISを辞めたいけど言い出せない場合

HISを問わず退職を決意しても、上司や同僚に直接伝えることに強い精神的な負担や不安を感じる方は少なくありません。そんな辞めたいと言い出せない状況で悩んでいるなら、退職代行サービスの利用をおすすめします。

退職代行サービスは、あなたの代わりに会社へ退職の意思を伝え、退職手続きを代行してくれる専門サービスです。これにより、上司や同僚と顔を合わせることなく、面倒なやり取りを一切回避して、スムーズな退職を実現できます。

HISの店舗営業では、過酷なノルマや長時間労働、殺伐とした人間関係が原因で上司に退職を切り出すこと自体がパワハラや感情的な引き止めに繋がるリスクがあります。精神的に疲弊している場合や会社からの圧力が強い環境では、自分で退職交渉を進めるのは非常に困難です。

退職代行業者の中には、労働組合が運営しているサービスもあり、これらは法律に基づいた団体交渉権を持っているため、未消化の有給休暇の取得や退職日の調整といった退職条件に関する交渉を会社側と合法的に行うことが可能です。

費用は一般的に2万円〜3万円程度ですが、精神的なストレスやトラブルを避けられることを考えれば、その費用は十分に価値がある投資といえるでしょう。

HISを辞めたいときの辞め方

転職の軸を明確にする

転職活動を始める前に、まずは「なぜ辞めたいのか」「次の職場で何を成し遂げたいのか」という転職の軸を明確にすることが不可欠です。HISを辞めたい理由が給与の低さや長時間労働であれば、次の職場に求める条件として具体的な年収や残業時間の上限を設定しましょう。

また、旅行への情熱と売上重視の現実のギャップに悩んでいる場合は、顧客の課題解決に深く関われる仕事やクリエイティブな提案ができる仕事など、仕事内容の満足度に重点を置くことができます。

自分の経験を良かった点と悪かった点に分けて徹底的に分析することで、次の職場に求める条件が明確になり、ブレない転職活動が可能となります。

ポータブルスキルを洗い出す

HISのカウンター営業で培ったスキルは、実は多くの業界で高く評価されるポータブルスキル（持ち運び可能なスキル）の宝庫です。これらのスキルを旅行業界特有の言葉ではなく、他業界でも通用するビジネス用語に翻訳することが重要です。

例えば、お客様の曖昧な希望から予算や目的、日程といった詳細な条件を聞き出し、最適なプランを導き出す能力は、「顧客ニーズのヒアリング力」や「課題発見・解決力」として評価されます。

また、航空会社やホテルとの複雑な調整を行う経験は、「多様な関係者間での利害調整力」や「顧客折衝能力」として法人営業やコンサルティング業界でも重宝されます。HISで身につけたお客様の感情に寄り添いながら合理的な提案をする力は、転職市場における強力な武器となるのです。

就業規則を確認する

退職手続きを円滑に進めるためには、必ず会社の就業規則を確認することが必要です。就業規則には、退職を申し出るべき期限（一般的には1ヶ月以上前と定める企業が多い）が記載されています。

正社員（期間の定めのない雇用契約）の場合、法律上は退職の意思表示をしてから2週間が経過すれば退職が成立しますが、円満退職を目指すのであれば就業規則に定められたルールに従い、余裕をもって退職の意思を伝えましょう。

有給休暇の残日数を確認しておくことも重要です。有給休暇が残っている場合、退職日までの間にすべて消化することで、出社せずに退職することも可能です。就業規則に則って計画的に進めることで、会社側からの引き止めや退職時期の引き延ばしを回避しやすくなります。

退職の意思を毅然と伝える

退職の意思を上司に伝える際は、「辞めたいと思っている」といった曖昧な表現ではなく、「○月○日をもって退職します」と退職の決定事項として毅然とした姿勢で伝えることが重要です。

退職の申し出は、上司に許可をもらうための行為ではなく、雇用契約を終了させるというあなたの権利の行使だからです。

退職理由を伝える際には、現在の職場への不満（給与が安い、残業が多いなど）を口にすることは避け、「次のステップで挑戦したい目標があるため」など、前向きなキャリア展望を理由にしましょう。不満を伝えると、待遇を改善するから残ってほしいと引き止められる口実を与えてしまいます。

引き止めにあったとしても、一度決めた決意を曲げずに貫き通すことが大切です。曖昧な態度を取ると、退職交渉が長引きずるずると引き留められてしまう可能性があるからです。

まとめ

HISで働く中で「辞めたい」「やばい」と感じるのは、長時間労働や給与の不満、過酷なノルマ、理想と現実のギャップ、殺伐とした人間関係など、多くの元社員が共通して抱えている課題です。

しかしHISで培った顧客ニーズのヒアリング力、提案力、多角的な折衝能力といったスキルは、人材紹介、ITベンチャー、広告法人営業など、給与水準が高い他業界でも非常に高く評価されます。

もし、上司への退職の意思表示に強い抵抗を感じたり、感情的な引き止めやパワハラなどのトラブルに発展する不安がある場合は、退職代行サービスの利用を検討しましょう。退職代行を利用すれば、上司や同僚と一切顔を合わせることなく、最短で即日に退職手続きを進めることが可能です。

特に有給消化や未払い残業代の交渉が必要な場合は、団体交渉権を持つ労働組合や弁護士が運営するサービスを選べば法的な問題をクリアしつつ、あなたの要望を会社に伝えてもらえます。

新しいキャリアのスタートを最優先するために、プロの力を借りることは決して逃げではありません。まずは退職代行サービスの無料相談を活用し、あなたの状況に適した退職方法を見つけ、次の輝く未来へ踏み出してください。